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このレポートでもたびたび登場される画家・イラストレーターの伊東雅江さんが、冊子「かまくらの ステキな たてもの の えほん」~鎌倉市景観重要建築物等 絵で見る図鑑[鎌倉駅周辺エリア]~を出版した、との連絡をご本人からいただきました。

12㎝x12㎝のこの小さな冊子では、ネコのチビが鎌倉駅周辺のまちを散歩し、9棟の大正・昭和初期の古くておしゃれな建物をエピソードも交えて紹介しています。クラシックな建物のイラストのどこかに、チビも登場。中にはしっぽだけ見える、なんてページもあって、かわいい。緻密さとユーモアが一緒になって、写実的な建物が「生き物」のように表情豊かに見えてくるのです。

最後のページでチビは「ぼくが すきな すてきな たてものたちを まもって ください」と語りかけ、保全のための「鎌倉市景観重要建築物等保全基金」について触れています。100円で販売する冊子の売り上げの一部も、同基金への寄付に充てるそうです。その価格で寄付までして大丈夫なんだろうか、とちょっと心配?!

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チビのように鎌倉のまちを散策する際、見て美しいと思う景観。そこでは街並みという要素も大切です。構成する古い建物の多くは路地にあって、明治、大正、昭和の時代に作られ、自然の猛威や火災や戦争(鎌倉は空襲されなかったのです)などの災害からも逃れ、長い歳月、良く手入れされた、「生きている」建物たちです。路地には、静けさの中にちょっとした生活感があって、そこで暮らす人たちのあったかさを感じます。
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そんな鎌倉の「古くて素敵な建物たち」でも、個人の所有物のなかには、高齢化や代替わりで消えているものも少なくないのだとか。伊東さんによれば「20年かけて描いてきた建物の数々は、実はその半分ちかくが今ではなくなってしまいました。今回の冊子の建物も所有者の努力で残っていますが、また消えてしまうものが出ても不思議ではないです。建物やまちなみは、そこに住み、使う人々の努力と資金なしでは残れないということでしょう」とのこと。そこで「基金で人々の努力を少しでもサポートして、『たてものたちを まもって』行く助けをしたいんです」。

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「鎌倉市景観重要建築物等保全基金」は鎌倉市がそんな街並みを保全するために作った基金だそうです。大好きで生き残ってほしいと願う建物があっても、古い建物は寒かったり暑かったり、経年劣化があったり、大変なこともいっぱい。改修だって普通のお家より手間も資金もかかります。

だから公的な支援をしてほしいけど、法律の上では建物は所有者のもの。所有者でない私たちにお手伝いできることはあるのかな? 伊東さんはそんな自問から自分のできること、つまり古い建物を描くことで基金への寄付を呼び掛けました。基金からの支援で「保全へのお手伝いをしてもらう」方法です。私たちはまち歩きが楽しくなるステキな冊子をゲットする。それが街並み保存のたすけになる、という趣向です。ステキですね。

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街並みも、伊東さんの冊子も、楽しみながら大切にしてもらえると良いな~、と心から願います。

伊東雅江さん著、「ひと・まち・鎌倉ネットワーク」出版の冊子「かまくらのすてきなたてもののえほん」~鎌倉市景観重要建造物等 絵でみる図鑑[鎌倉駅周辺エリア]は、たらば書店(鎌倉市御成町11-40 TEL: 0467-22-2492)にてお求めいただけます。

投稿者:CanCan


2019年07月06日 │ コメント(0)

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