銀の鈴1児童文学や詩を中心に出版する銀の鈴社さん。昨年、銀座から鎌倉雪の下の古民家に拠点を移し、ギャラリーと文化サロンも設置して活動されています。先月コソガイ宛に「小社の刊行物は自由にご覧いただけますので遊びにいらしてください」と、ステキなメールをいただき、本や児童文学にコダワリがあるコソガイのメンバー5人がさっそくおじゃましました。

銀の鈴2銀の鈴社は、通りに面した清楚な白い壁と木製部分が古民家ながらモダンな印象を与えます。取材時、ギャラリーでは同社刊行の絵本、西川律子著の「もうひとつの赤ずきんちゃん」の原画や関連グッズが展示されていました。ギャラリーの奥にはサロンの部屋、そこに入ると古民家の柔らかな光の中、社長の西野真由美さん、息子の大介さんがあたたかく迎えてくださいました。

銀の鈴3銀の鈴社は、万葉学者だった西野社長のおじいさまが「戦後の国文学と国語教育の復興のために」と学会誌を発行する出版社として始められました。お父さまの代になって少年詩も手掛けるようになり、現在では児童文学と詩の本をメインに刊行されているそうです。西野社長と大介さんは同社が出版した絵本「ぼうぼうあたま」「生きているってふしぎだな」「万葉野の花」などを編集時のエピソードや思いとともに次々に見せてくださいます。どれも原画を活かす丁寧な作り。西野社長が明るくゆったりとした声でその一節を読み始めると絵本の世界が部屋中にふわっと広がり、空気の流れまで変わるようです。

銀の鈴4「出版社として、ウチは地味ですから」と社長は謙遜されますが、サロンの書棚に並んだ同社刊行本は、一度は目にしたことのあるものも少なくなく、これを読んでみたい! と手を伸ばしたくなる本がたくさんありました。「どうしたら楽しい本にできるか知恵を絞り、よいものをコツコツと作って伝え、長く読み継がれるものを目指したいのです」とおっしゃる社長の言葉には、1000冊以上の本を送り出されてきたご苦労と自負が感じられます。傍らには大介さん。「年齢の割に落ち着いているって言われちゃうんです」と笑顔でははにかまれますが、棚から話題にあった本を選んで取り出してくれるタイミングと素早い動作はどうしてどうして。「本を目にとめてくれた方が、それぞれの出会いを語ってくださることが本当にうれしいです」の言葉から、出版への気持ちがにじみます。

コソガイのスタッフは、銀の鈴社で丹精込めて作られた数々の書籍をご紹介いただきながら、お二人から醸しだされるゆったりとした空気に気持ち良く浸り、贅沢な時間をいただきました。おじいさまの代から始まった出版社も大介さんが参加して4代目。作品はもちろん、出版に対する志も「伝え、継がれ」ようとする幸せな場所でした。ありがとうございました。

銀の鈴5同社併設の銀の鈴ギャラリーでは、一般の方向けに絵本にちなんだ展示をはじめ様々な展示をしており、だれでも自由に見学ができます。読み聞かせや、絵本の作者のワークショップなどのサロン・イベントも随時開催しています(要申し込み)。
スケジュールや詳細はウエブで確認ください。

アート&ブックス 銀の鈴社
鎌倉市雪ノ下3-8-33
http://www.ginsuzu.com
e-mail:info@ginsuzu.com


【銀の鈴社刊行物より】
銀の鈴6ハインリッヒ・ホフマン著「ぼうぼうあたま」
特徴のある絵と色彩、そしてちょっと残酷なストーリーが強烈に印象に残る絵本。多くの人が手にしたことがあるのでは。伝染病の流行が社会を揺るがせた19世紀では、「清潔」は生きて行く上でたいへん重要なこと。著者は医者だからこそ、こどもにそれを強く伝えたかったのではないでしょうか。このお話の残酷さは意味のあるものだと思えます。だからこそ人を引きつけてやまないのでしょう。

銀の鈴7神谷健雄・こばやしひろこ編著「おとうさんの子もりうた〜伯林(ベルリン)だより〜」
鎌倉出身のこばやしさんが作った本。約70年前、エンジニアとしてベルリンへ留学したおとうさんが、日本にいる娘(こばやしさん)に送った数々の絵ハガキから構成されています。現地で手に入れたステキなポストカードには娘に宛てた書き込みが随所にあり、おとうさんの想いがじわっと伝わります。これを残しておかれたおかあさんもステキ。おとうさんの愛をいっしょうけんめい娘に伝えようとする姿が見えるようで、家族のきずなを感じます。

銀の鈴8やなせ たかし著「生きているってふしぎだな 〜やなせ たかし詩集〜」
(ジュニアポエムシリーズ142)
ご存じ”アンパンマン”作者、やなせたかしさんの作品。シンガーソングライターの顔も持つ著者ながら、「詩集」は非常に珍しく、銀の鈴社さんと著者との深い信頼関係ならではの刊行となったそう。数々のアンパンマンソング同様、収録されている作品は全て、平易な言葉で書かれていながらも、自然への優しい眼差しや、希望や夢を疑わない力強さに溢れています。子どもに読み聞かせながら、大人自身が勇気付けられる、そんな詩集です。

投稿者:CanCan

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